梅雨明けからの雨&曇り、いかがお過ごしでしょうか。スタッフの高山です。
雨はもわっとしますが、今日ぐらい涼しいと夏も過ごしやすいんですけどね。
涼しいので「これなら飲めるな」的な赤ワインをご紹介。

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フランス ブルゴーニュ地方
セリエ・ド・ラ・クロワ・ブランシュ / サントネイ ルージュ 2001
2,980円(税別)

「セリエ・ド・ラ・クロワ・ブランシュ」は
ボーヌの南、ブリニー・レ・ボーヌに構えるネゴシアンです。
ブルゴーニュ各アペラシオンに散らばる
極小ドメーヌやまだ知られていない蔵元を回り、
これは!という掘り出し物を見つけ買い付け。
自身のセラーで熟成させ、飲み頃を迎えたものをリリースするという
昨今大変ありがたい経営スタイルをとるメゾンさんです。
また、販売価格が大変に良心的なのも嬉しいところ。

当店では過去に何回か入荷しているメゾンさんですが
ひさしぶりに彼らのワインが入荷しました。
コートドール各アペラシオンから広く買い付けを行っていると思しき彼らですが
(この生産者に関する情報、本当に見つからないんです!)
今回は、コート・ドール南部に位置するアペラシオン、サントネイの16年熟成。

シャサーニュ・モンラッシェの南隣ということもあって
地図だけみると「白ワインの産地」とおもわれがちなサントネイ。
ですが、ここは実は赤ワインとして有名な産地です。
アペラシオン総面積約325haのうち黒ぶどうの栽培面積は279ha。
ここはコート・ド・ニュイの地層・地勢と似ているため、
ピノノワールの適性が高い産地となっているのです。とはいえ
ヴォーヌロマネやジュヴレなど、ニュイの銘醸地にあるような色気はさほどでませんが、
確かな骨格をもち、土の香りが豊かに現れるワインとなります。
熟成を経て真価をはっきりするクラシカルなタイプなうえ、蔵出しのため
16年経過した今でも生命力を発揮しています。

薄めの、しかし生き生きとした色合いのガーネット色。
赤い果実の凝縮したアロマとリコリス、ドライフラワー、腐葉土、紅茶、出汁、澄んだ鉄分。
過度な酸化香や動物香はありません。安心する香り。

上質な熟成品らしく、滋味深い味わいが全体のトーン。
派手さはないですが、スムースで、そして静かです。
アタックは赤スグリの心地よい甘酸っぱさ。
果実味も酸味も極めて健全で枯れている感じはなく、
むしろしっとりとした森に分け入ったときのような
しっとりとした湿度、静かな豊かさがあります。
そこからフィニッシュにかけて、じわじわと旨味が舌の上に広がり続けます。

旨味・ミネラル・余韻がきちんとそろった熟成ブル、
3000円前後ではめったにお目にかかれないものです。
これぞクラシカルの本流です。ゆっくりじっくりと飲みたい1本。