フランスはボルドーの南東、ガスコーニュ地方から
きっちり冷やして飲みたいテーブル白ワインが入荷しています。
「ドメーヌ・オルジェリュス」はフランス北西部ブルターニュ地方出身の
ジョゼフ・ル・マン氏が、暖かな土地を求めて1978年に
南西部のガスコーニュ地方に移住、設立したワイナリーです。
ガスコーニュ地方はその温暖な気候となだらかにつづく丘陵から
「フランスのトスカーナ州」と呼ばれているそうです。はじめてきいた。
モンレアル・デュ・ジュールというコミューンに本拠を構え、
オルジェリュスはその周辺に計約90haほどの農地を所有。
ここらへんは葡萄でつくる蒸留酒「アルマニャック」が大変有名ですね。
うち60haが葡萄畑で、ここから収穫した葡萄でアルマニャック、
そしてデイリーユースのワインをつくっています。
オルジェリュスのオフィスと葡萄畑。
現在はジョゼフの息子、ヨアン・ル・マン氏がワイナリーを牽引。
ヨアンは夜間収穫や醸造面での酸化対策などを取り入れ、
オルジェリュスのワインに鮮やかさと躍動感を与えました。
ヨアン・ル・マンさん。ナイスガイ。
「コート・ド・ガスコーニュ」はソーヴィニヨン・ブランとグロ・マンサンを
6:4でブレンドしたデイリーラインです。
ソーヴィニヨン・ブランは国際品種で有名ですが、
グロ・マンサンはあまり聞き馴染みのない葡萄かもしれませんね。
グロ・マンサンは、フランスとスペインを隔てるピレネー山脈のフランス側で栽培される白ぶどう。
晩熟で、柑橘やアプリコットやカリンなどの香りが表れ、
高い酸味とふくよかなボディをもつワインとなります。
高めの収穫量でも質はあまり落ちないという利点もあり、
フレッシュなテーブルワインから凝縮力に優れたものまで、幅広いワインを生み出します。
ちなみにプティ・マンサンという兄弟みたいな白ぶどうがいますが、微妙に違いますね。
名前の通り、プティ・マンサンのほうが粒が小さい。
植えられている区画は、ケイ酸を多く含むシルト土壌。
ソーヴィニヨン・ブランは9月5日から順次行い、
グロ・マンサンは10月10日に一挙に収穫したそうです。
フルーティーな香味を保つため、低温度にてステンレスタンク発酵を行い、その後熟成。
残糖度は6.0g/Lとほんのりと残していますが、飲み口は完全に辛口ですね。
シトラス、晩柑、パッションフルーツ、ツタ、芝生の香り。
香りの面ではソーヴィニヨン・ブランの個性がよくあらわれているなーという印象ですが、
口に含むとグロ・マンサン由来の厚みが感じられます。そして十分なレベルに達している酸は、
味わいにピントを合わせる役割を果たしています。
爽やかな風味、適度なコク、すっきりとした余韻。
お値段は1380円(税別)です。
いい感じに力の抜けたフレッシュワイン。
ワイン飲みたい…でも力の入ったものは飲む気にならない…というかたにおすすめです。